切子タンブラー(ロング S) SOLD OUT
商品コード:47051-01

商品仕様: φ6×h10.4cm 210cc
商品説明: 『木村硝子店』さんは、レストランやバーなどに向けた業務用のグラスを扱うメーカー問屋です。今も古き良き時代の面影が残る東京の下町・湯島に社屋を構えたのが、明治43年だそうですから、まもなく創業100年を迎えるという老舗です。現社長が、3代目となる木村武史さん。そして、木村硝子店を代表するデザイナーが三枝静代さんなのです。三枝さんの代表作に、『木勝』シリーズと呼ばれるコレクションがあります。『木勝』とは、創業者の木村勝氏の名前からつけられたものだそうで、『江戸切子』と呼ばれる伝統的なカットグラスの技法を用いたカクテルグラスです。『木勝』は『江戸切子』の正当な技術を伝承する中でも、特に高い技術を持つ二人の職人さんの手で作られています。元来の伝統的なモチーフにとらわれない三枝さんのデザインが、下町の頑固な職人さんにも受け入れられるのは、一途に美を追い求める彼女の姿勢によるものでしょう。日本の切子の特筆すべきは作品の質の高さなのです。すべてが手づくりであるにもかかわらず、どれも大きさや模様がみごとに同じ。これは日本人特有の細やかな神経のなせる技であり、カットグラスの本家ヨーロッパに勝るとも劣ることはないものなのだと言います。何本ものラインを一点で交わるように交差させてカットする切子の仕事は、目の集中力を持続できる年齢までが勝負です。基本的な技術を目と手が覚えるまでに最低10年だと言いますから、今、ちゃんと後継者を育てないと、間違いなく技術は途絶えてしまいます。実際、急激な早さで江戸ガラス職人さんの数が減ってきているらしいのです。過渡期とも言えるこの深刻な状況の中で、新しい仕事を提供し続けることが、貴重な技術を守り、継承していくことにつながると信じる木村硝子店さんの姿には、学ぶべき大切なことが満ちあふれているのでした。
小売価格: ¥5,016
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倉敷意匠のオリジナルタンブラーを木村硝子店さんに作っていただくことになったのです。生地の製作は『うすはりガラス』で一躍人気となった『松徳硝子』さん、切子は『木勝』の切子職人さんでもある伝統工芸士・根本達也さんにお願いしてもらいました。松徳硝子さんは、40年以上にも渡って、木村硝子店さんの300をも越えるアイテムを生産する片腕とも呼べる工場です。その魅力は、1ミリというガラスの薄さ。創業当時に電球を吹いていたという職人技が生かされたグラスは、美しさはもちろん、唇をつけた時の繊細な感触に誰もが息を呑みます。根本さんの工房へは、三枝さんに同行してもらい、実際のお仕事の様子を見せていただくことが出来ました。「顔は恐いけど、腕は保証しますから。」と聞いてはいましたが、ごつい指先から繊細きわまりないグラスが出来上がっていく様子を目の当たりにすると、そのギャップの大きさに驚きが隠せません。

上)三枝静代
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科にて陶芸を専攻。卒業後、木村硝子店に入社。
下)根本達也
1963年 東京生まれ。親方であり父である根本幸雄氏は、切子界の代表作家。親方を常に尊敬しつつ、たゆまぬ研究心でガラスの道を歩む姿が美しい。
2004年 江東区優秀技能者賞認定。2006年 経済産業大臣指定 伝統工芸士認定。